【独占業務あり】社労士(社会保険労務士)の具体的な仕事内容や将来性は?

社労士とは?

合格率10%以下の難関資格と言われる社労士ですが、

社労士ってどんなことするの?

具体的な仕事内容について知りたい!

士業は将来性がないと言われているけど本当はどうなんだろう?

という方も多いと思います。

ここでは改めて社労士の具体的な仕事内容や、将来性についてお伝えしていきます。

社労士の仕事内容とは?

社労士には大きく3つの業務に分けられます。

それが1号業務2号業務3号業務と呼ばれるものです。

1号業務独占業務】

1号業務とは、労働保険に関する書類や、手続きの代行をする業務です。

社労士の間では「提出代行事務」と呼ばれていますね。

この業務は第3者が報酬をもらって行うことはできず、社労士の資格を持っていないとできない【独占業務】になります。

1号業務の具体的な内容
  • 就業規則の作成
  • 入社や退社に関する書類の作成
  • 離職票の発行
  • 労災の申請
  • 給与計算

これらの業務が1号業務に該当します。

他にも年度更新と呼ばれる労災保険料と雇用保険料の計算や、従業員の社会保険料を決定する算定基礎届の作成、助成金に関する書類の作成なんかも含まれ、その他にも数えきれないほどの業務が存在します。

1号業務の中でも就業規則は社員が10人以上いる会社では作成、届け出が義務付けられており、違反した場合には30万円以下の罰金なんてことも!

入社の手続きや給与計算はどこの企業でも必要な業務であり、社労士であればその多くの業務を請け負うことができます。

2号業務【独占業務】

2号業務とは、帳簿書類を作成する業務を言います。

こちらの2号業務も1号業務と同様独占業務になっており、他人が勝手に請け負うことができません。

2号業務の具体的な内容
  • 労働者名簿の作成
  • 賃金台帳の作成
  • 雇用契約書の作成

これらの業務が2号業務に該当します。

労働者名簿や賃金台帳は作成と社内での保管が義務づけられており、非常に重要な業務の一つです。

3号業務

最後に3号業務です。

主に労務に関する相談、助言、指導を行う「コンサルティング業務」のことを言います。

こちらは1号、2号業務と違い独占業務ではないものの、労務に関するコンサルティングは労働法や社会保険に精通していないとできないため、コンサルティング業務しか行っていない社労士事務所もあります。

社労士界隈では、将来的にこの3号業務の比率が高くなると言われています。

3号業務の具体的な内容
  • 労務トラブルに関する相談や助言
  • 賃金規則の作成
  • 人事評価制度に対するアドバイスや構築
  • 年金に関する相談
  • 労働環境の改善
  • 社員研修やセミナーの実施
  • 法改正に対する指導

この他にもメンタルヘルス対策や、就業規則に対するアドバイス、利用できる助成金の案内など、幅広い業務があります。

特に法改正に対する指導ですが、働き方改革関連法の施行もあり、今かなり需要が増えている業務になっています。

社労士の将来性は?

よく「社労士の仕事はAIに奪われる」と聞きますが、実際はどうなのでしょうか?

結論から言うと、

単純作業は淘汰されるが、コンサルティング業務の需要は増える

ことが予想され、一概にAIにより仕事がなくなることはないでしょう。

むしろ場合によってはまだまだ伸びしろのある仕事とも言えます。

需要が増えるコンサルティング業務

これまで独占業務とされていた1号業務や2号業務の手続き代行や帳簿作成はどんどん簡素化され、わざわざ社労士に頼まなくてもネットで調べればことが足りることが多くなるでしょう。

その反面労務トラブルの対応や、人事評価制度の構築などのコンサルティング業務はAIなどでは代替できないため、労働法や社会保険に精通する社労士の出番は増えていきます。

このコンサルティング業務こそ本来社労士が得意とする範囲であり、元々この3号業務をメインにしていた社労士にとってはあまり関係のない話かもしれません。

またインターネットが普及している現在では従業員の中にも労働法に詳しい方も多く、年々労災の申請件数は増えており、いじめやパワハラによる労災の申請件数は過去最高を更新しました。

会社の立場からすると、この「精神病」に対する対策というのは非常に重要で、過去の裁判例を熟知していないとなかなか対応することができません。

この労務トラブルに関しては「ヒト」に関する法律に熟知した、社労士でないとできない仕事とも言えますね。

働き方改革など、法改正による規則の整備

労働法や社会保険などの社労士が扱う法律は、毎年何らかの形で法改正が行われます。

例えば毎年10月には最低賃金の改訂が行われますが、そのたびに企業は給与規定の見直しを行わなければなりません。

また2019年の4月から始まった有給休暇の5日間の消化義務や2020年には同一労働同一賃金が施行され、多くの企業が就業規則の改訂を行っています。

そこで社労士の出番です。

社労士には法改正に対応した就業規則の作成や、給与の見直し、労使協定の作成など、まだまだやらなければいけない仕事が山積みです。

特に同一労働同一賃金に関しては法律が施行する前の今でもかなりの相談が寄せられており、日々の業務の中で需要が絶えないことを実感しています。

少子高齢化社会に対する対応

日本では超少子高齢化社会と言われているように、既に日本の人口の4人に1人が65歳以上の高齢者です。

そのような中で企業は数少ない人材の確保(採用)と、流出の防止(定着)に努めなければなりません。

現在企業に勤める方の60%以上の方が、「現在の評価制度に不満がある」というアンケートもあるように、人材を定着されるためにはこの人事評価制度の整備は非常に重要な役割となっています。

終身雇用制度が崩壊した今、転職が当たり前の時代になっています。

有料職業紹介を利用して大金をつぎ込み、いくら優秀な人材を採用できたとしても、すぐに辞めてしまったのでは意味がありません。

皆が納得のいく人事評価制度で優秀な人材を定着させ、会社の利益を上げ、さらに優秀な人材を採用する。

このサイクルを作る根本とも言える人事評価制度の構築こそ、「ヒト」に関する業務や法律に精通した社労士の業務でもあります。

まとめ

  • 社労士の仕事には、1号から3号までの業務がある
  • 手続き代行事務(1号)や帳簿作成業務(2号)は社労士の独占業務であり、第三者が報酬を得て仕事を請け負うことができない
  • 今後は労務に関するコンサルティングである3号業務の需要が増える

一般的に士業は淘汰されると言われていますが、社労士が行う仕事はまだまだたくさんあります。

個人情報を多く扱う仕事である以上責任感もあり、プレッシャーを感じることもありますが、会社を運営する以上なくてはならない仕事です。

難関資格と言われる社労士ですが、それに見合うメリットは多く存在しますので、興味があればぜひチャレンジしてみてくださいね!

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