社会人にはストレスがつきものです。
毎日ノルマに追われ、上司から詰められる毎日…
挨拶しても無視されたり、陰険ないじめや嫌がらせ、立場が弱い者に対するセクハラなど、令和になっても社風は昭和から変わらず古い体制のままの会社が未だに多く存在します。
もうこんな会社で働けない…
と思ってすぐに辞めるのも良いですが、その前に一旦落ち着いてこの記事を読んでください。
退職後の生活費は?
仕事を辞めてうつ状態のまますぐ転職できる?
これまで入っていた社会保険はどうするの?
など、仕事を辞めてからも解決すべき問題はたくさんあります。
ここでは仕事を辞める前に使える保険制度や、手当についてご説明していきます。
労災保険
労災と聞くと業務中、通勤中に転んだり、目に見える形でケガをしたときに使えるものというイメージが強いですが、上司によるパワハラやセクハラなど、会社内で起きていることが原因でうつになった場合にも、労災保険の対象になり得ます。
労災保険なんて入った覚えないし、給与明細を見ても保険料引かれてないよ?
と思われる方もいると思いますが、安心して下さい。
従業員として働いている以上は漏れなく全員労災に加入しています。
給与から天引きされる健康保険や年金と違い、労災保険の保険料は全額事業主負担のため、知らないうちに加入しているケースがほとんどです。
労災が認定されるには実際にパワハラ、セクハラが起きているか、私生活でのストレスに起因するものではないか等色々調査はされるのですが、もし労災として認定されれば、お給料の約8割が病気が治るまで補償されます。
しかもその休んでいる間は会社から解雇されることもなく、今の立場を維持したまま休むことが可能です。
ただし労災として認定されるハードルは高く、会社としても労災があった事実を認めたくないという思惑もあるため、労災と認められるまでに時間がかかります。
なので実際には労災ではなく、次に紹介する傷病手当金を申請するケースが多いです。
傷病手当金
この傷病手当金というのは、休んでいる間の給与補償として健康保険協会(組合)から支給されるものです。
なので会社の社会保険に加入していることが前提にはなりますが、医師がうつ病などの病気により就業できないと判断した場合、最長1年6か月の間、お給料の約2/3が補償されます。
でも仮に病気が治っても職場に復帰するのは気まずい…
という人も多いかと思いますが、1年以上会社に在籍している人であれば、仮に会社を辞めた場合でも引き続き傷病手当金を受給することが可能です。
ただ先ほどの労災とは違い、
・休んでいる間に解雇される可能性がある
・給与の補償に上限(1年6か月)がある
など労災よりは補償の内容が手薄くなっています。
失業保険
もしうつ状態のまま退職した場合、次の転職先が見つかるまでの補償として、ハローワークから失業保険が支給されます。
ただし失業保険は先ほどの労災や傷病手当金とは同時にもらえないため、まずは優先的に労災、傷病手当金の申請をしましょう。
ハローワークも特別な事情があると判断された場合は最長4年間まで失業手当の受給を延長してもらえるので、ハローワークへの手続きも忘れずに行いましょう。
退職後の社会保険について
会社を辞めた場合の社会保険について考えてみます。
フルタイムで正社員で働く場合、またパートやアルバイトでも正社員とあまり変わらない時間で働いている場合には、社会保険に加入しているかと思います。
社会保険というのは健康保険と厚生年金のことを指しますが、
自分が社会保険に入っているかどうかどうやって確認すればいいの?
という方もいるかもしれませんので、簡単な調べ方についてお伝えします。
一番簡単な方法は、給与明細で健康保険、厚生年金の項目から保険料が天引きされているかです。
こちらの項目から保険料が控除されていれば、あなたは社会保険に加入していることになります。
これまで会社に在籍しているときはこの健康保険、厚生年金は会社と折半して保険料の支払いをしていましたが、会社を退職してからは自分で払っていかなければいけません。
すぐに転職先が見つかりまた社会保険に加入できればいいですが、うつ病などで働けない場合にはなかなかそうはいきません。
ざっくり今後支払わなければいけない保険料を計算してみると、年収400万円の場合は健康保険料で約23,000円、年金分で約16,000円が毎月かかってきます。
合計すると40,000円近くなりますので、こうしてみると結構負担は大きいですね。
ただ家族と同居しており、家族の方が社会保険に加入している場合にはその方の扶養に入ることができる可能性はあるので、扶養に入ることができれば月々の健康保険料はかかりません。
まとめ
- 労災が認められれば、立場を維持しながら給料の8割が補償される
- 労災が認められない場合でも、医師から働くことができないと診断されれば傷病手当金がもらえる
- 退職後に自分で支払わなければいけない保険料は結構大きい
意外と知られていませんが、皆さんが当たり前に加入している社会保険は結構手厚い内容になっています。
このような制度があると知っていることで、気持ちも幾分楽になるかもしれません。
詳しい内容についてはお近くの労働基準監督署や、年金事務所に聞いてみてください。
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